みなさんこんにちは!デザイナードラフト運営チームです。
デザイナードラフト登録時には自分の人となりをアピールする項目の一つとして「仕事をする上で影響を受けた本」を記入することができます。
この項目、それぞれの思考が見えてきて、ついつい色んな人のレジュメを見に行ってしまうんですよね。
そこで今回は、優秀なデザイナー(企業から年収付きで指名されたデザイナー)はどんな本に影響を受けているのか、その本のどこに注目して読んでいるのかを調査してみました!
投票数の多かった本と一緒にデザイナードラフト利用者のコメントも紹介するので、読む際には参考にしてみてくださいね。
指名されたデザイナーが影響を受けた本ベスト8
では、さっそくランキングを見てみましょう!
順位 | 書名 | 票 |
---|---|---|
1 | 誰のためのデザイン? | 12 |
2 | 融けるデザイン ―ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論 | 11 |
3 | みんなではじめるデザイン批評 | 4 |
3 | センスは知識からはじまる | 4 |
5 | リーンスタートアップ | 3 |
5 | ノンデザイナーズ・デザインブック | 3 |
5 | なるほどデザイン | 3 |
5 | デザイン組織の作り方 | 3 |
・対象は1回〜7回のデザイナードラフトで指名された111人
・複数入れてる方はそれぞれに1票ずつ加算
「誰のためのデザイン?」は定番中の定番なだけあって、やっぱり強い!
その他も聞いたことがある有名な本がいくつか見られます。
では、それぞれの本について、詳しく見ていきましょう。
誰のためのデザイン?
D. A. ノーマン 著
全てのデザイナー、デザインに関わる人が読むべき本。デザインに関する根源的なことが書かれている。
デザイナーになってから何度か読み直したが、その度に物事の捉え方が違い、自分の理解力を測ることができると思っている。(全てを理解したと言うにはまだまだと思う。)
人々が失敗するのは自分のせいではなくミスを起こす環境が原因でありデザイナーはそういった環境から人々を開放するためにデザインをするといった考え方はよくミスを繰り返していた自分には非常に刺さりました。そして環境を自身でつくり変えることで劇的にミスが少なくなり、デザインには力があると実感しました。
デザイナーとして働く上で、手に取ったことがある方も多いのではないでしょうか?
1990年出版でありながら、現在でも多くのデザイナーに影響を与えている本書が、投票数No.1となりました!
「使いやすいさとはなにか」をはじめ、デザインの概念が詰まった1冊です。
ただ、文量が多く文字が小さい…正直少し読みにくいかもしれません。
未読の方は、長い休みなどにじっくり読んでみてはいかがでしょうか?
融けるデザイン ―ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論
渡邊 恵太 著
要素をどこに配置するか、アクションをどうするかといったことにばかり目を向けてしまいがちな日々の業務の中で、良いデザインとは意識されずに利用できるもの、という視点に気づかされた。
インターフェイスやインタラクティブデザインが自己帰属感に大きく影響を受けること、高精度なUIは人間工学に基づいて緻密な設計が必要なことを知り、本書を読むことでそれまでUIという言葉にざっくりぼんやりとした理解しかしていませんでしたが、霞が晴れたように理解が深まりました。
インターフェイスとは何か、インターフェイスデザインとは何かについて根本的に考えるきっかけになったためです。UIやUIデザインをもっと好きになるきっかけになりました。何度も読み返したくなります。
UIデザイン関連の本は方法論を語るものが多いですが、こちらはUIデザインの基礎となる指針を示した内容になっています。
これからのサービスについてや、意識をせずに使えるデザインの重要性など、UIの概念や考え方などが紹介されています。
「人間にとってUIとは…?」ともやもやしている方が読むと、スッキリするという声も聞かれるので、まだUIの理解が不十分だと感じる方にオススメです。
読み物としてもなかなか面白いので、まだ読んでいない方はぜひ手に取ってみてください。
みんなではじめるデザイン批評
アーロン・イリザリー
アダム・コナー 著
一人でデザインしてた状態から複数人チームでデザインする際にどうしたよいかわかならいときに教科書的な存在になった。
目的達成のためのコラボレーション&コミュニケーション改善ガイド。好き嫌いで判断するのではない、チームとして正しくプロダクトを完成するためのノウハウが詰まっているため。
デザイナー教育と社内のデザインの認識すり合わせに
技術的な内容ではなく、デザイナーと周囲のコミュニケーションや、そもそも批評とはなんぞやということを語った本です。
「完成したデザインを見せたら、修正の嵐…」
デザイナーなら誰しも経験したことがあるこういった悲しい状況を改善したり、目的を達成したりするためのコミュニケーション方法、批評する側、される側双方の心構え、打ち合わせの進め方などを解説してくれています。
デザイナーの方はもちろん、デザイナーと仕事をする人にも読んでほしい1冊です。
センスは知識からはじまる
水野 学 著
デザインはセンスも大事だが根底にはデザインの知識や原則などを理解してするということを学んだ
理論によってデザインのスキルを上げられることを、この本によってあらためて痛感。それ以来、モチベーション高く、デザインへの勉強に取り組めているので。
センスは才能のように思われがちだが、勉強をして身につけていくものだと主張しているもので、まさに我々デザイナーが日々なんとなく才能じゃなくて努力なんだよなとは思ってはいるが、言葉に出来なかったことを、一言で言い表してくれ、やっぱり努力は必要なんだよなと再認識させてくれました。
デザインの話になるとよく耳にする「センス」とはそもそも何なのか、センスは生まれ持っての才能なのかという疑問に答えてくれる本です。
タイトルを見ても分かる通り、この本では、センスは生まれ持っての才能ではなく、知識や経験から育つものだと紹介しているので、自分のセンスに不安を感じている人、不安な中で努力をしている人の背中を押してくれるでしょう。
リーンスタートアップ
エリック・リース 著
事業の立ち上げにおいて、仮説の構築、実装、検証・改善を高速で繰り返す、無駄を削ぎ落とした手法を学び実践することができた。
「どのようにすれば優れたプロダクトやサービスを、ムダやリスクをおさえて生み出せるのか」について書かれた一冊。
プロダクト開発やサービス開発に関わるデザイナーなら一度は聞いたことがある「MVP」や「ピボット」などの概念が学べます。
ノンデザイナーズ・デザインブック
ロビン・ウィリアムズ 著
デザイナーへの転身前にデザインの基礎を学んだ本。デザインの大基本だが、だからこそ今のデザインスキルにつながっている。
アプリのデザイン業務に携わる時、全く知識のなかった私を助けてくれたバイブルです。デザインとは何か、をわかりやすく図解で教えてくれています。
20年以上前から読まれ続けているロングセラー本です。
ノンデザイナーズというタイトルからも分かるように、デザインについてよく理解できていない人でも読める内容なので、正直、経験を積んだデザイナー向けではありません。
しかし、どんなデザインにも共通して言える基礎的な話が書かれているため、これからデザインに挑戦したい方や、デザイナーと仕事で関わる方が読めば、得るものは大きいでしょう。
なるほどデザイン
筒井 美希 著
わかりやすく、後輩指導の際に役立っています。
パラパラ眺めるだけでデザインが上手くなってきたような気になる名著です。
近年に出版された本ながらすでに定番となっている『なるほどデザイン』は、写真や画像を多用した良い例、悪い例をカラーで比較できるなど、「デザインって楽しいな」と感じながら読める一冊です。
内容は、『ノンデザイナーズ・デザインブック』を噛み砕き、図を多用してわかりやすく説明してるイメージです。
最初から最後までガッツリ読むというよりは、机の上に置いておいて、ちょっとしたときにパラパラめくるといった使い方のほうが向いている気がします。
後輩や部下、同僚のために1冊持っておくというのもいいかもしれません。
デザイン組織の作り方
ピーター・メルホルツ
クリスティン・スキナー 著
理由は、一番理にかなったデザイン組織体制、役割について明快にまとめられていたから。「全体」「戦略」「構造」「外観」という概念の学びがあり、その視点から自分のなすべきことが明確になった。
サービスデザインの範疇において、どのようなキャリアの積み方・スキルの伸ばし方があるのかがとてもわかりやすかった。
こちらは、インハウスのデザイン組織に所属する方向けの本です。
質の高い顧客体験を作り上げられる組織にするための、組織構築・運用の方法などが紹介されています。
デザイナー個人のキャリア形成についても書かれているので、プレイヤーから一歩踏み出し、さらなるスキルアップを望む方にオススメです。
まとめ
今回の調査では、デザイン手法というより概念や考え方についての本がランキング上位という結果になりました。
実力のあるデザイナーの方々は、デザインスキルだけでなく「円滑に仕事を進めるための能力」についてもしっかりとインプットをしているようです。
また、ランキング外ですが、2票を獲得した本には以下のようなものもありました。
- 悲劇的なデザイン
- 田中一光自伝 われらデザインの時代
- ロゴデザイン・ラブ!
- マイクロインタラクション: UI/UXデザインの神が宿る細部
- デザインの伝え方
- デザインするな
- インタフェースデザインの心理学
- アイデアの作り方
さらなるスキル・キャリアアップのために、まだ読んだことがない本があれば、ぜひチェックしてみてください!