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  3. クライアントの課題にデザインで応えていく。事業会社も経験したからこそ見えた、制作会社デザイナーとしてのプライド

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自社プロダクトを持つ事業会社か、委託を受けて様々な案件に取り組む制作会社か。
同じデザイナーでも、どちらを選ぶかによってキャリアも仕事内容も変化するもの。

転職市場では「事業会社を希望するデザイナーが多い」と言われていますが、制作会社での活躍を望むデザイナーもいるのは事実です。
今回、デザイナードラフトでSEESAWに入社した品川さんもその一人。

制作会社も事業会社も経験した上で、再び制作会社のSEESAWを選んだワケは…?

SEESAW代表の村越さんにも同席いただき、お二人にデザイナーのキャリアにまつわるお話を伺いました。

プロフィール
村越 陽平 氏:株式会社 SEESAW CEO
品川 悠樹 氏:株式会社 SEESAW Designer

「伸びしろ」を求めて紙からWebへ

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ーまずは品川さんのこれまでのキャリアについて教えてください。

品川: 新卒では割と大手のプロダクションに入社しました。
広告代理店からアートディレクターが来て、彼らと共に理想のグラフィックを作る職人的な仕事を主に行っていました。ですが、紙以上にデジタルの領域に魅力を感じて転職しました。

その頃は、Flashが終わって「次はデジタルだ!」みたいな第二のWeb黎明期的な感じだったので、友達が所属していたデザイン会社に転職して、Webデザインやデジタルデザインをやりながら5年ほど勤めました。

ーWeb黎明期のその時期って、紙のデザイナーからWebに行く人って、結構多かったんでしょうか?

品川: 当時はほとんどいなかったと思いますね。紙のほうが偉いというわけでないのですが、当時は美大を出た人は紙のデザインに行くのが良しとされていて、Webデザインは専門学校を卒業して「紙に行けるほどの技術や自信はないけどWebなら…」という空気がありました。

確かに最初の転職のときは、周りに「え、Webいくんだ…」と言われたこともありましたが、僕としては「これからはWebでしょ?」と肌で感じていたので。

ーキャリアチェンジの葛藤などはなかったのでしょうか?

品川: いやいや、ありましたよ!その頃はまだSketchもなかったので、Photoshopでデザインしていたんですが、紙のデザインをしていたときはPhotoshopってグラフィカルなものを作るツールだと思っていたので、ピクセルとか何も考えなかったんです。

でも、転職したら急に「Photoshopでデザインをやりますっ」て言われて、「え…ちょっとよくわからないです」ってところから始まりましたね(笑)。

だって、紙は解像度が300dpiなんですけど、デジタルだと72dpiなんです。その感覚がまず分からないし、A4は分かるけれど、1400×800pxがどのくらいの大きさなのかや、どう表示されるかもわからないので、先輩に聞きながらなんとかやっていました。

先入観なく実力が年収に反映されるのが、デザイナードラフトの面白さ

ー品川さんは、「これだ」と思ったら、現状に留まらずにキャリアチェンジする判断をしてきた人、という印象を受けます。

品川: そうですね。実は去年、デザイナードラフトを使わせてもらって、事業会社に転職したんです。
でも、自社サービスをやる中で、「事業会社も楽しいけれど、やっぱり僕は広告系がやりたいんだな」と気づいて。
自社のプロダクトに課題を見つけてより良くしていくよりも、課題を抱えた企業さんに対して、デザインで回答していくのが好きなんだと。

そこで、今後どうしようかと考えたときに、デザイナードラフトに前回お世話になったことを思い出して、また利用しました。

ー2回目!ちなみにまた使おうと思っていただいた理由を伺ってもよろしいでしょうか?

品川: デザイナードラフトは、自分にはどのくらい価値があるのかを知りたいときに、ポートフォリオとレジュメだけで年収が先に表示されますよね。しかも、匿名で。
そういうところに惹かれたのはあります。感覚的には「ワンピースの懸賞金」みたいな(笑)。

実力が金額に反映されることで、自分の市場価値を知ることができる。 これって結構重要だと思うんですよね。

デザイナーというか制作系あるあるかもしれませんが、「お金よりもやりがい!」的な部分ってあると思うんです。でも、僕はやっぱりお金のことはちゃんと知っておきたいし。

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ーありがとうございます!とはいえ、運営の私たちが言うのもなんですが、デザイナードラフトって登録してからの工数が結構大変だと思うんです。

品川: たしかにそうですね。「具体的に書きましょう」ってありますもんね。

ーその辺はいかがでした?

品川: 新卒のときにもよく言われていた「アウトプットも大事だけど、結果に至るまでの考え方を人は見ている」というのが頭の中にあったので、レジュメやポートフォリオをしっかり作ることには抵抗はなかったですね。

「その人がどういう経験を経て、どのように考えてそのアウトプットに至ったか」 という過程を分かりやすくまとめることは重要だろうなって思ったので、確かに具体的に書かないとわからないよねと。

ーとなると、ポートフォリオも重点をおいて作っていただいていたのですね。

品川: そうですね。僕は会社員をしながらフリーランスとしても仕事をしているので、もともとポートフォリオっぽいものはあったのですが、デザイナードラフトの登録を機にちゃんと作ろうと思って。

ーちなみに、品川さんは希望年収の欄は記入していましたか?

品川: 希望年収は記入してないですね。

ーそれは、リアルな市場価値を知るためにあえて書かなかったのか、「書かなくてもまあいっか」くらいの気持ちだったのかが気になります。

品川: 前者ですね。希望年収を入れると、企業側もその数字に引っ張られてしまうので、本当の自分の価値は分からないんじゃないかなと思って。

例えば、希望年収に合わせて700万円で指名されたとして、相手の期待する700万円の仕事ぶりと自分の実力ってどうしてもズレが生じてしまうと思うんです。

「700万円の割にこんな仕事しかできないのか」ってなったらどちらも幸せじゃない。需要と供給じゃないですけど、「僕自身をいくらだと思います?」みたいな感じで、先入観のない本当の自分の価値を提示してもらったほうが、お互いにとっていいと思うんです。

デザイナーが考える「事業会社に行きたい」の真意とは

ー品川さんは、ドラフト開催期間に複数の大手事業会社からもオファーが来ていましたよね?その中でSEESAWさんを選んだ理由はなんだったのでしょうか?

品川: 「珍しいな」と思ったんですよね。「デザイナードラフトにも、広告系寄りの制作会社が出ていたんだ」って。

デザイナードラフトの特性的には、サービス系とか自社開発に特化した企業が多いので、今回もオファーをいただいたらそういうところに行くかもしれないなと。

そもそも2回目の参加のときは、前回の実績もあったので「一旦エントリーしてみた」くらいの気持ちだったのですが、行きたい方面の会社(SEESAW)からオファーが来て。他の指名のほうが年収提示は良かったんですけど、SEESAWならやりたいことができるなと思って、僕の中では指名が来た時点で即決でした。

ーほぼ即決!迷いはなかったのですか?

品川: はい。ただ気になったのは、「この会社がどのくらいの裁量を任されてこのクリエイティブを作ったのか」 でした。

例えば「トヨタのサイトつくりました!」と言われるとすごいと思うけれど、入社してみたら実は下請けの下請けで…ということもよくあるんですよ。
そうなると「じゃあこの会社はどの部分をやったの?何をしたの?」ってなりますよね。

僕の理想は、「アートディレクターがこの会社の人だ!」とか、「クリエイティブディレクターを代表の人がやってる!」みたいに、自社サービスではなくクライアントの仕事をその会社でほとんど全部やってる状態なんです。

だから、事業会社も制作会社も経験して、やっぱり「制作系がやりたい」と思ったときに、SEESAWが希望とバッチリ合った感じです。

村越: たしかに、うちは上流から案件に関わることを大事にしているので、あえてマス広告を中心にしていません。僕が長年マス広告やってきて思うのは、大きな金額を使う割にやることはかなり川下で、言うならば演出に近いなと。

もちろん、演出をやり続けるのも面白いんですけど、デザインの一番中心は商品そのものだったり、もっと言うと、「ユーザーエクスペリエンスをどう作るか」など商品の更に前に存在していたりすると思うんです。

上流から関わろうとすればするほど0から1を作るっていうのがデザインにとっては大事ですし、僕はココが一番楽しいエリアだと思っています。
だから、そういう仕事に関われることを意識して仕事を取ってきますし、会社のポートフォリオも膨らませていっていますね。

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ー今回の採用では、本当にお互いの想いがバッチリ合ったんですね!
デザイナードラフトには制作会社がまだまだ少ない中でも、今回の出会いをお手伝いできたのはとても嬉しく思います。

村越: たしかに、デザイナードラフトの参加企業は事業会社が圧倒的に多いんですよね。登録しているユーザもほとんどが事業会社への転職を希望しているようですし。

ある意味、需要と供給は合っているのかもしれませんが、僕らのような制作会社からすると、「オファーしてもいい反応は少ないだろうな」って最初は感じました。

でも、意外とオファーへの反応は良かったので、事業会社へ行きたい気持ちがどの程度なのかは、Web上のレジュメだけで判断するのはもったいないなとも思っています。

ー「事業会社に行きたい」と「制作会社に行きたくない」はイコールではないのかもしれませんね。

品川: そうだと思いますよ。代弁すると、多分、多くのデザイナーは疲れてるんだと思うんですよ。

制作会社での仕事ってクライアントに振り回されることも多いじゃないですか?業界的にも「制作会社は辛い」と言われていますし。
だから制作会社で働いていると「自分たちでコントロールできる事業会社はいいな」って思うんですよね。

まあ事業会社だっていろいろあることは知っているんですけど、制作会社を経験したデザイナーからすると、「自分のペースで働きたい」的なニュアンスで「事業会社に行きたい」って書いている意味合いもあるのではないかなって思います。

ーなるほど。自分のペースで働けるなら、実際は事業会社か制作会社かは大きな問題ではないのかもしれませんね。
ちなみに、品川さんのデザイナーとしてのキャリアプランみたいなものはあるのでしょうか?

品川: 僕は「好きな仕事で高い給料をもらってやる」っていうのがモチベーションなので、そのためにどういうキャリアを積むんだろうって考えると、やっぱりアートディレクターになってクリエイティブディレクターになって…という道筋が一番分かりやすいキャリアステップですよね。

ーそのプランからすると、フリーランスという道もあると思うのですが…なぜ企業に所属する道を選んだのでしょうか?

村越: それ、僕も気になっていて、面接のときにも品川くんに聞いたんです。
「フリーランスでも稼げてるんですよね?」って。

品川: そうでしたね(笑)。実は、フリーランスとして請けた仕事でちょっと苦い経験をしまして…。結構大きい仕事が、急になくなっちゃったんですよ。
理由を聞いたら、僕一人に任せることのリスクが高すぎるってことで、株主から反対の声が上がったそうです。

これを聞いて、「契約書も交わしたのに…」と思いつつ「確かにな」とも思ったんです。僕が仮に倒れたりしたら全ての進行が止まってしまうし、そんなリスクを背負いながらではいいものは作れないですから。

この経験から、まだ個人でやる時期ではないなと思いましたし、チームじゃないとやれない仕事は、会社に所属しているからこそプライドを持って全力投球できるんだと実感したんです。

クライアントの課題に、領域を横断して応えられるデザイナー集団でいたい

ーここで、採用サイドのお話も少し聞きたいのですが、村越さんはどんな風に候補者を絞っていったのですか?

村越: まずはポートフォリオの作品をざっと見て、レジュメでその人の経歴、パーソナルな部分の設問で人柄なんかを見ていきました。

結構たくさんの方を見ましたが、品川くんはとにかく作品がすごく光っていましたね。
あと、レジュメの端々から、前のめりというか「ああ、この人はすごくポジティブに仕事に取り組むだろうし、向上心が高いんだろうな」っていうパーソナリティが垣間見えたので、いいなと思ったんです。

品川: ありがとうございます(笑)ちゃんと見てもらえて嬉しいです。

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ーちなみに、作品が光っていたっていうのはどの辺なんでしょう?
ユーザーとしては、「どこ見てそう判断したのか」っていうのはすごく気になるポイントだと思うのです。

村越: 僕は、前職も含めて数えきれないくらい採用をやってきたんですけど、作品と、その作品へのコミット率を聞けば、だいたい判断できるものなんです。

ただ、グラフィックとUX系では判断できるスピードが違うんですよね。
グラフィックの方は、その人のアイデアとか形に対する厳しさが作品に隠しようもなく出てしまうので、見たらすぐ分かります。

一方でUXの場合は、結果だけでなく過程も聞かないと判断が難しいですね。
パッと見はいいけど、実はあんまり考えられてないこともあるので、実際お会いして「こういう考えをもとにデザインにしているんだ」「あえてこのコンバージョンは捨ててこういう表現にしたんだ」など、どういうUXを考えた結果こうなっているのかも知らないと判断できないので。

ーなるほど。ではSEESAWさんの場合は、どんな人がほしいかはあらかじめ決めていたのですか?

村越: はい。とはいっても、今言ったような能力面ではあまり選んでいなくて、どちらかというと会社が掲げるバリューとのマッチ度を大切にしています。

チーム精神の発揮や、一つの領域にとらわれないで別の領域も手を出していこうと思ってくれるかが重要で、採用に関しては特にこの2つを重視していました。
だから、どんなに能力が高くても、チーム精神や人に対して思いやりがないと採用しないですね。

ーデザイナーであっても、クライアントに領域横断をした提案をしていける人を求めているのですね。

村越: それはすごく大事にしていますね。
SEESAWは事業開発のデザインコンサルを多くやっているので、カスタマージャーニーマップを作成することがよくあります。

カスタマージャーニーの中にWeb的に解決する内容もあれば、グラフィック的に解決するもの、他にもPRとか動画などいろんなものがジャーニーの中に含まれているので、一つの事業を作り上げるのは総合格闘技に近いと僕は考えています。

そんなときに領域を横断して考える力がないと、新しい事業にデザインでコミットするのは難しいんですよね。
だから、SEESAWの業態的に領域を横断できる資質とか好奇心が大切なんです。

初参加のときのデザイナードラフトで、「そういう人」と出会えそうだという手応えを感じたので、2回目のデザイナードラフトにも引き続き参加してみたんです。
Web系でも、ちょっとレイヤーが上の人材は多かったですし。結果、品川くんと出会うことができました。

デザイナーが理想の企業とうまくマッチングするために

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ー転職活動において「ポートフォリオづくりのコツ」みたいなポイントはあるのでしょうか?

村越: 実はそこに明確な答えはないと思っていて。
もともと僕は採用にとても興味があるので、他社の説明会とかに出ることもあるのですが、やっぱり企業によって重要視する部分は全く違うなと。

成果物よりプロセスを大切にする企業へ提出するポートフォリオには「どうしてそのデザインに至ったのか」という思考回路をしっかり書いたものを提出すべきですが、逆に僕がいた大手広告会社のように、作品を並べて数秒で審査する企業には、プロセスよりも成果物が大事なんです。

価値観が180度違うからこそ、ポートフォリオの作り方はこれという1つの答えはないと思います。

あえていうなら、企業理解を深めて、その企業に合わせたポートフォリオを作るのが解なのかなと思います。
当たり前ではあるんですけど、「転職活動においては自己分析と企業分析が一番大事だ」という話に帰結するかなと。

ーでは、逆にユーザー側としては、企業側にどんな情報を提示してほしいでしょうか?

品川: 例えば、企業側もレジュメを作ったらいいんじゃないでしょうか?
特に制作会社って、公に閲覧できる会社のHPには、クライアントとの契約上詳しいことを載せられない仕事もありますし。
だからこそ、ユーザー側が知ることができる情報って実は結構限られていると思うんですよね。

ー「タレントが写っているので転載はやめてください」とかもありますよね…。

品川: そうなんですよ。でも、誰でも見られる環境ではNGだけど、かなりクローズドな、例えば指名した相手にだけ見せることができる企業のポートフォリオとかがあって、「うちはこういう経緯でこの仕事をして、この段階から入っています」と知ることができたら、面白そうだなと思いますね。

ユーザー側も企業をもっと知ることができる情報の提示と、ユーザーがそれを理解して自己分析と掛け合わせて企業にアピールできる力が、より良好な関係で転職できる環境を作るんじゃないかなと思います。

「クリエイターの価値は世界が決める」
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