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  3. 貂明朝といままでの明朝体 - Webサイトにおける明朝体の今昔 -

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貂明朝リリース

先日のデザイナードラフトReportでも記事にしましたが、2017年11月に行われた Adobe MAX Japan 2017Adobe TypeKitに「貂明朝」が追加されることが発表 されました。
つきましては、このデザイナードラフトReportをWebフォントの貂明朝でお送りするとともに、Webサイトの明朝体の歴史を少しだけ紐解き、貂明朝の特徴に迫ってみたいと思います。

貂明朝ってなに?

貂明朝についての説明は、公式のAdobe Typekit Blogに詳しく書かれています。

貂明朝を従来の明朝体から際立たせている特徴は、躍動感のある手書きの文字の特徴に加え、江戸時代の瓦版印刷に見える運筆の特徴も取り入れていることです。伝統的な明朝体の画線の先端を丸め、やや太めに仕上げ、ふところは小さめにしています。貂明朝は、広告コピー、書籍・出版物のタイトルなど幅広い用途でご利用いただけます。
(※以下Adobe Typekit公式ブログより引用)

今までの明朝体とどう違う?

元来、ディスプレイ表示にはゴシック体が主に用いられてきています
一方、明朝体はセリフ体であるため、文字の中で細い太いが出来たり、部分的に細いことでアンチエイリアスが 読みにくく作用してしまう 等の議論もされていました。
しかし最近では、iPhoneのRatinaDisplayを始めとする 高精細ディスプレイには明朝体のほうが読みやすいのではないか、などの視点もでてきています。
そんな中、新しく明朝体として登場した貂明朝。
せっかくなので、今までの メジャーと思われる明朝体と貂明朝を比べてみる ことにしました。
どんな特徴があるのでしょうか?

テキストで比べてみた

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公式の説明にあるように、標準で太めに装飾されているので見ただけで目を引きますね。
明朝体ですが、平仮名を眺めるだけでもいくらかの 続け書き のような書体も見られ、「はね」「押さえ」「とめ」などのデザインが独特であることから、行書のような雰囲気を感じるフォントになっているとも思います。

ヒラギノ明朝 × 貂明朝で比べてみた

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代表してヒラギノ明朝と比べてみましたが、ふところは小さめにしている というコンセプトが影響してるせいか、テキストの高さが比較的低めになっています。
そのせいか、かわいい印象がありつつも重心が低く安定感のある印象を演出しているようにも見えます。

イラスト文字で比べてみた

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かわいい。

おわりに

特徴のあるフォントなので、Webサイト全体に適用するとなると勇気が必要なもしれませんが、公式ブログにもあるように、サイト内の一部のコピーやタイトルに適用することからはじめて、みなさんのWebサイトにスパイスを加えてみるのはいかがでしょうか。

P.S.

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貂明朝以外にも、Adobeは Typekitのサイト自体もリニューアルしています
中でも、画像の中に含まれるフォントを識別する「Typekitビジュアルサーチ」という機能が追加されています。
Typekitビジュアルサーチは、Typekitにあるフォームにドラッグアンドドロップすると、Adobe Senseiが画像を解析して文字のフォントを抽出、Typekit内のフォントと照合し類似するフォントを提案してくれる 機能です。
当初は欧文フォントのみの対応ですが、何か物足りない時、違う演出をしてみたい 時に、知らないフォントや 新しいフォントに出会うきっかけ にもなるのではないでしょうか。